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薬物依存(やくぶついぞん)

脳に直接作用して高揚感などをもたらす薬物に依存してしまう精神疾患。

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薬物依存とは薬物の摂取で快感や高揚感を伴う刺激を体験した者が、それを再び求める抑えがたい欲求が生まれて、その刺激がないと不快な精神的・身体的症状を生じる状態のことをいいます。

覚醒剤や麻薬・向精神薬、大麻などによる依存のみではなく、広い意味では、シンナー・睡眠薬・抗不安薬など、さらに進んでアルコール(酒)やニコチン(たばこ)なども対象とすることがあります。

依存の症状には精神依存と身体依存の二つに分けられます。
精神依存は強い欲求のためその薬物の使用を意志でコントロールできない状態のことで、ニコチン依存の人が煙草を吸えないとイライラするのがこの症状です。
身体依存は身体的異常(離脱症状)を生じる状態のことで、アルコール依存の人がアルコールが抜けて来ると手が震えてくるのがこの症状です。

加えて薬物依存の大きな要素の一つに耐性の形成があります。連用するうちに効き目が出なくなり、使用量が増えていくことです。覚醒剤などの多くが耐性の形成が早く、依存症となる量まで素早く到達してしまいます。好奇心から少量の使用なら安全と思って使用すると耐性がすぐ出来て、使用量が意思ではコントロール出来なくなってしまうことが、覚醒剤が規制されている理由の一つです。
薬物依存が形成された患者は薬物を得る事のみに執着し、他の社会的責務を容易に放棄してしまうために社会生活が送れなくなることが問題となっています。