様々な原因で長期間自宅などから出ず、自宅外での生活の場がない状態。特定の精神疾患を有するものとそうでないものがあり、社会問題化している。
厚生労働省の定義では、ひきこもりは単一の疾患や障害の概念ではなく、「さまざまな要因によって社会的な参加の場面が狭まり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」とされています。近年、ひきこもりの高齢化、長期化が鮮明になってきています。内閣府の調査によると、ひきこもりの数は15~39歳では推計54万1千人[1]、40~64歳では推計61万3千人おり、7割以上が男性で、ひきこもりの期間は7年以上が半数を占めています[2]。
ひきこもりには、統合失調症などの精神疾患や発達障害などにより周囲との摩擦が生じて引きこもる場合と、そういった疾患や障害などの生物学的な要因が原因とは考えにくい場合があります。後者は対人関係の問題などが引き金となり、社会参加が難しくなってしまったもので、「社会的ひきこもり」と呼ばれることもあります。
ひきこもりの人々の様相は多彩ですが、ひきこもりが長期化するのは、生物学的側面、心理的側面、社会的側面から複数の要因が混在しています。
厚生労働省では、「ひきこもり」を精神保健福祉の対象とし、平成15年に援助活動や福祉サービスの他NPOなど支援施設による様々な施策のための『「ひきこもり」対応ガイドライン』を策定しています。
(最終更新日:2021年3月12日)