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発達障害

脳の機能的な問題が関係して生じる疾患であり、日常生活、社会生活、学業、職業上における機能障害が発達期にみられる状態をいう。最新のDSM-5(「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」)では、神経発達障害/神経発達症とも表記される。

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知的障害(精神遅滞)

知的障害は精神遅滞とも表される、知的発達の障害です。最新の「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版(DSM-5)」では、「知的能力障害(知的発達症)」とも表記されています。知的機能や適応機能に基づいて判断され、重症度により軽度、中等度、重度、最重度に分類されます。様々な中枢神経系疾患が原因となるため、正しい診断を受けて、早期に治療・療育・教育を行う必要があります。本人のみならず、家族への支援も欠かせない発達障害のひとつです。

ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療

ADHD(注意欠如・多動症)は、「不注意」と「多動・衝動性」を主な特徴とする発達障害の概念のひとつです。ADHDの有病率は報告によって差がありますが、学齢期の小児の3~7%程度と考えられています。ADHDを持つ小児は家庭・学校生活で様々な困難をきたすため、環境や行動への介入や薬物療法が試みられています。ADHDの治療は、人格形成の途上にある子どものこころの発達を支援する上でとても重要です。

ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について

これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていましたが、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症(ASD;Autism Spectrum Disorder)としてまとめて表現するようになりました。自閉スペクトラム症は多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害で、人口の1%に及んでいるとも言われています。自閉スペクトラム症の人々の状態像は非常に多様であり、信頼できる専門家のアドバイスをもとに状態を正しく理解し、個々のニーズに合った適切な療育・教育的支援につなげていく必要があります。

学習障害(限局性学習症)

学習障害(限局性学習症、LD)は、読み書き能力や計算力などの算数機能に関する、特異的な発達障害のひとつです。学習障害には、読字の障害を伴うタイプ、書字表出の障害を伴うタイプ、算数の障害を伴うタイプの3つがあります。

学習障害には的確な診断・検査が必要で、一人ひとりの認知の特性に応じた対応法が求められます。ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉スペクトラム症)などを伴う場合には、それらを考慮した配慮、学習支援も必要となり、家庭・学校・医療関係者の連携が欠かせません。