栄養素の摂取が生体の必要量より少ないときに起こる体の状態。
健康的に生きるために必要な量の栄養素が摂れていない状態を指します。その中でも特に、たんぱく質とエネルギーが充分に摂れていない状態のことを「PEM(Protein energy malnutrition):たんぱく質・エネルギー欠乏(症)」といいます。
一般に高齢になると、食事の量が少なくなり、あっさりしたものを好むようになるため、食事に偏りが生じやすくなります。このような食生活を長く続けると、たんぱく質やエネルギーが不足し、PEMとなるリスクが高まります。
また果物や生野菜・肉類をあまり食べず、野菜類もよく煮たものしか口にしなくなると、ビタミンやミネラル類も不足しがちとなります。固いものや繊維質の多いものを食べるのが難しくなるため、食物繊維が足りなくなることもあります。
高齢者では特にPEMが問題となっており、寝たきりの人はその割合が高くなっています。
PEMは、血清のアルブミンの値が一定以下になっているか、また体重がどれくらいの割合で減少しているかといったことから判断されます。