厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

ヒューマンカロリメーター(ひゅーまんかろりめーたー)

ヒトのエネルギー消費量をより正確に測定する装置。

twitterでシェアする

facebookでシェアする

ヒューマンカロリメーター(エネルギー代謝測定室)は、およそ15m2~20m2の部屋に、空気中の酸素や二酸化炭素濃度あるいは空気の容積などの測定機を備えた、大掛かりな装置です。室内には机・ベッド・トイレ・ルームランナーなどが設置されており、ヒトの日常生活をシミュレーションできるように工夫されています。

被験者が室内に滞在している間、生体内では酸素を利用し二酸化炭素を産生するという反応が生じており、それによる室内のガス濃度の変化からエネルギー消費量を測定しています。このような測定原理に基づく方法は間接熱量測定法と呼ばれています。

一般的にこの装置の測定精度は、室内での6時間のアルコール燃焼試験による理論値のエネルギー消費量と実際に測定したエネルギー消費量との誤差が1%未満とされており、非常に優れています。
しかしながらヒューマンカロリメーターを用いたエネルギー消費量の測定は室内に限定されるため、個人の生活実態を反映した日常のエネルギー消費量が必ずしも反映されません。したがってこの装置は様々な条件(活動内容・食事・室内環境)下でのエネルギー消費量の測定や他の評価法の妥当性の検討に利用されます。

(最終更新日:2019年7月30日)

澤田 亨

澤田 亨 さわだ すすむ

早稲田大学 スポーツ科学学術院 スポーツ疫学研究室 教授

1983年福岡大学体育学部卒業。1985年順天堂大学大学院体育学研究科修了。博士(医学)。東京ガス株式会社人事部健康づくり担当者、国立健康・栄養研究所室長を経て、2018年に早稲田大学スポーツ科学学術院に教授として着任。体力と健康に関する研究に従事。専門はスポーツ疫学、公衆衛生学。