厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

アルコール幻覚症(あるこーるげんかくしょう)

長期間かつ大量のアルコール摂取により、幻聴や被害妄想などを生じる精神障害。

twitterでシェアする

facebookでシェアする

アルコール幻覚症は、WHOの策定した国際疾病分類第10版では、アルコールに起因する精神病性障害、主として幻覚性のものに分類されており、長期間にわたる大量のアルコール摂取によって生じる精神障害です。多くの場合は、アルコールを中止ないしは減量後24~48時間以内に出現しますが、時には飲酒中に出現することもあります。また基本的にはアルコール依存症者に起こります。

具体的な症状としては、意識がはっきりしているにもかかわらず、実際には存在しないはずの「自分を呼ぶ声」や「自分について批評する人々の声」などが聴こえてきたり(幻聴)、またその声のために、「自分が殺される」とか「自分は狙われている」などと実際にはあり得ないことを確信したり(被害妄想、追跡妄想)します。さらにその不安や恐怖のあまり、激しい自傷行為や他害行為などの問題行動を引き起こすこともあります。アルコール幻覚症は急激に発症し、大部分は数日から数週以内に消失します。しかしながら、慢性的に続くこともあります。