知能の水準あるいは発達の程度を測定した検査の結果を表す数値。知能のおおまかな判断基準とされると同時に、知的障害(知的能力障害)などの診断や支援に利用される。
単に学習で覚えた知識や学力ではなく、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる能力を知能と捉え、それをわかりやすく数値化したものを知能指数と言います。知能検査と呼ばれる測定方法を使って検査します。
知能指数の測定は従来「精神年齢÷生活年齢×100」で算出する方法が主流でしたが、現在はDIQ(偏差知能指数)と呼ばれるもので表すことが多くなりました。どちらも平均は100で、その数値が高いほど知能が高いことを表します。
従来の知能指数では「本来の年齢と知能の年齢の差」を測りますが、年齢が違う人の知能の比較ができず、また算出方法で使われる精神年齢が、成人についてはあまり有用ではないなどの問題点がありました。
DIQは平均が100で標準偏差が15の検査を用いて算出し、「同年齢の集団の中でどの位置にあるか」を表すものです。70未満の場合「知的障害(精神遅滞)」と診断され、その段階によって障害の重さと関係します。
知能指数は、その算定方法や検査の回数によって数値が若干変わること、また、言葉の能力や家庭環境などでも異なることから、あらゆる知能を網羅しているとは言えないため万能ではありません。現在国内で用いられる主な知能検査法として、①田中ビネー知能検査Ⅴ(ファイブ)、②WPPSI-Ⅲ知能検査(ウィプシ・サード)、③WISC-Ⅳ知能診断検査(ウィスク・フォース)、④WAIS-IV知能検査(ウェイス・フォース)、⑤KABC-Ⅱがあります。これらは知的障害者の療育手帳取得や就学時の健康診断書、個別学習支援計画作成・指導などに利用されています。
(最終更新日:2020年5月12日)