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レジスタンス運動(れじすたんすうんどう)

筋力トレーニング(筋トレ)の一種で、スクワットや腕立て伏せ・ダンベル体操などの、標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動。

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レジスタンス運動にはダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法(ウエイトトレーニング)と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法(自重トレーニング)があります。ウエイトトレーニングについては「標準的な運動プログラム[1]」を参考にすることができます。例えば、マシンを使用する場合は最大挙上重量の60~80%の重さを8~12回繰り返し、大きな筋群をまんべんなく鍛えることが推奨されています。自重トレーニングについては、無理せずに「できなくなるところまで実施する」が、最も簡単な目安です。いずれの方法も血圧の急激な上昇を抑えるために、息をこらえないように注意してください。

筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。レジスタンス運動を含む筋力トレーニング(筋トレ)について、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者に対して週あたり2~3回実施することを推奨しています[1]。筋トレによって、筋力、身体機能、骨密度が改善し、高齢者では転倒や骨折のリスクが低減することが示されているだけでなく[3][4]、筋トレを実施している群は、実施していない群と比較して、総死亡及び心血管疾患、全がん、糖尿病、肺がんの発症リスクが10~17%低いことが報告示されています[5]

(最終更新日:2025年2月17日)

澤田 亨

澤田 亨 さわだ すすむ

早稲田大学 スポーツ科学学術院 スポーツ疫学研究室 教授

1983年福岡大学体育学部卒業。1985年順天堂大学大学院体育学研究科修了。博士(医学)。東京ガス株式会社人事部健康づくり担当者、国立健康・栄養研究所室長を経て、2018年に早稲田大学スポーツ科学学術院に教授として着任。体力と健康に関する研究に従事。専門はスポーツ疫学、公衆衛生学。

参考文献

  1. 厚生労働省.標準的な運動プログラム.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index_00003.html
  2. 厚生労働省.健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/undou/index.html
  3. Physical Activity Guidelines Advisory Committee. 2018 Physical Activity Guidelines Advisory Committee Scientific Report. US Department of Health and Human Services. 2018.
  4. World Health Organization. Guidelines on physical activity and sedentary behaviour. 2020.
  5. Momma H, et al. Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Br J Sports Med. 2022;56:755-763.