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否認(ひにん)

自分が依存症であると認めないことであり、依存症の人は誰もが持っている心理。

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アルコール依存症は否認の病といわれます。否認とは、自分が依存症になっていると認めないことを言います。

「自分はアルコール依存症ではない」「自分には酒の問題はない」と飲酒の問題を全く認めないことだけではなく、「確かに酒の問題はあるが、やめようと思えばいつでもやめられる」「アルコール依存症だと思うが、それほど重症ではない」などと考えるのも、問題を実際よりも軽く考えているという点で、否認であるといえます。ほかにも「仕事上必要だから仕方なく飲んでいる」「眠れないから飲むだけだ」などと、自分が飲酒をコントロールできないことをほかの原因に求めたり、「酒を飲んで死ぬなら本望だ」「どうせ止めてもいいことはない」などと、最初からあきらめてしまって結果的には飲み続けてしまうのもよく見られる否認です。

否認は、自分が深刻な状況にあるということから身を守るための心理的な防衛機制の一種と考えられ、依存症の人は誰でも多かれ少なかれ否認があるものです。しかし否認は飲酒問題の解決を妨げるものであり、否認を克服していくことが依存症の回復のプロセスそのものともいえます。