フッ化物の補充剤として経口的に摂取すること。飲料水中フッ化物濃度と年齢により投与量が決められている。
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歯みがきは、歯面からプラークを機械的に除去することを目的とした予防法です。これにはセルフケアとプロフェッショナルケアがあります。セルフケアによってプラークを毎日完全に除去することは現実には不可能と考えられます。むし歯予防を成功させるには、セルフケアとともに他のむし歯予防法を組み合わせることが必要です。
一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を用いて、1分間ブクブクうがいを行う方法で、永久歯のむし歯予防手段として有効です。第一大臼歯の萌出時期(就学前)にあわせて開始し中学生まで続けます。保育園・幼稚園・小中学校で集団実施されていますが、個人的に家庭で行う方法もあります。
比較的高濃度のフッ化物溶液やゲル(ジェル)を歯科医師・歯科衛生士が歯面に塗布する方法です。乳歯むし歯の予防として1歳児から、また成人では根面むし歯の予防として実施されています。矯正治療中の患者さんや唾液流量の低下している人など、むし歯になるリスクの高い人に対して他のフッ化物応用法に加えて実施されています。
フッ化物(モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)・フッ化ナトリウム・フッ化第一スズ)を含む歯磨剤です。幼児から高齢者まで生涯を通じて家庭で利用できる身近なフッ化物応用で、世界で最も利用人口が多い方法です。
フッ化物利用は、歯質のむし歯抵抗性(耐酸性の獲得・結晶性の向上・再石灰化の促進)を高めてむし歯を予防する方法です。全身応用(経口的に摂取されたフッ化物を歯の形成期にエナメル質に作用させる)と局所応用(フッ化物を直接歯面に作用させる)があります。有効性・安全性に関する証拠が確認されています。
むし歯を作る要因は、歯の質・細菌(むし歯原因菌)・食物(砂糖)の3つにまとめることができます。それぞれの要因に対応する形でむし歯予防法は、フッ化物応用とシーラント・歯みがきの励行・糖分を含む食品の摂取頻度の制限にまとめることができます。これらの予防法が、家庭で・地域で・保健サービスの現場で、バランスよく組み合わされて行われることが必要です。
「8020」を達成するには生涯にわたる歯科保健対策が必要です。小児期から歯の喪失の二大原因であるむし歯と歯周病の予防を充実させることで、将来の「歯の喪失」を防ぐことが可能となります。