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アネロビクス / 無酸素性運動(あねろびくす / むさんそせいうんどう)

短い時間に大きな力を発揮する短距離走やレジスタンス運動などの強度の高い運動。

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我々が運動を行うときのエネルギーは、三大栄養素の糖質脂質たんぱく質を酸素と反応させて二酸化炭素と水にする燃焼反応によって供給されます。この燃焼反応はその字の通りガソリンなどを燃やす反応と同じ反応です。
ただし体内での反応はかなり複雑な経路を経ます。その経路は大まかに二段階の反応によって起こります。酸素を使わずにエネルギーを供給する無酸素性エネルギー供給機構による反応が起こり、続いて酸素を使った有酸素性エネルギー供給機構による反応へと続き、最終的に二酸化炭素と水が生じます。

無酸素性エネルギー供給機構は有酸素性エネルギー供給機構よりも反応速度が速いため、時間当たりのエネルギー消費量(エネルギー消費速度)の多い強度の高い運動では前者の反応によるエネルギー供給が主になり、次の段階で進む後者の反応が追いつかなくなってきます。このような有酸素性のエネルギー供給反応が追い付かなくなるような強度の高い運動を無酸素性運動(アネロビクス)と言います。短い時間に大きな力を発揮する短距離走やレジスタンス運動などが無酸素性運動に分類されます。無酸素だから息をしない運動という意味ではありません。

強度の高い無酸素性運動では、有酸素性エネルギー供給が追いつかなくなるために多量の乳酸が発生します。乳酸の蓄積は疲労の要因の一つとなるため、無酸素性運動は長い時間続けることができません。