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歯ぎしり(はぎしり)

睡眠時や無意識のうちに強い力で歯と歯を摺り合わせることであるが、近年その定義が広がりつつある。

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従来の定義では、主に寝ている間か無意識のうちに、強い力で歯と歯を摺り合わせて音をたてることでした。現在では、覚醒時のさまざまな動作も含めて「歯ぎしり(歯軋り)」と呼ばれることが多くなりました。
さらに睡眠時や覚醒時を問わず、歯を動的、若しくは静的にすり合せたり、噛み締めたりする非機能性咬合習癖としてブラキシズム(Bruxism)と称されることもあります(夜間に行われる場合、Sleep Bruxismと言う)。ブラキシズムは、上下の歯を臼の如くすり合わせる運動(グラインディング)、上下の歯を静的に強く噛み合わせる動作(クレンチング)、上下の歯を動的にカチカチと噛み合わせる動作(タッピング)などに分類されます。

また歯ぎしりは、自覚症状がない場合も多く、診断が困難とされています。歯ぎしりの原因としてストレスや歯並びなどが考えられていますが、現時点では不明であり今後の研究が期待されています。

歯ぎしりが習慣化すると、歯がすり減るだけでなく、あごの関節に力が伝わり顎関節症や顔面痛だけでなく、筋の緊張による頭痛・肩こりなど身体にいろいろな症状が起こる可能性も示唆されています。さらには、冷たいものがしみる知覚過敏や歯周病を悪化させる要因とも考えられています。

治療法としては、歯に人工のプラスチックのカバーであるマウスピースを付けるスプリント療法、認知行動療法などが研究されています。