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禁煙の準備 – 禁煙7日前から行う、禁煙のコツを教えます!《準備編》

今すぐ禁煙しよう!と思っている方に、禁煙開始7日前からはじめる「禁煙をスムーズにさせるためのコツ」があります。禁煙の準備やたばこを吸いたくなったときの対処法など、自己流にちょっとプラスするだけで役立つ知識を紹介します。

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1. 禁煙開始日を設定しよう!

まずは禁煙を開始する日を決めます。例えば何かの記念日や1のつく日など覚えやすい日がよいでしょう。休日に喫煙本数が多い方は仕事のある日から、逆に職場で多く吸ってしまう方は休日から始めるとよいでしょう。禁煙開始日を決めたら、カレンダーに○をつけたり禁煙宣言書を作り見やすい場所に貼ったりすると禁煙開始への意欲が高まります。
また自分がなぜ禁煙したいのか理由を明確化し書き出すことで、禁煙開始後に辛くなったときでも、初心に戻って禁煙について考え直すことができます。是非禁煙理由も宣言書に一緒に記載するようにしましょう。

2. 吸いたい気持ちの対処法を練習しよう!

禁煙開始後2~3日をピークに禁煙の離脱症状(禁断症状)が現れます。その後個人差はありますが、症状は緩やかに10~14日ごろまで続きます。この離脱症状(禁断症状)には、いくつか種類があります。

  • たばこが吸いたい!という欲求
  • 眠気
  • イライラして落ち着かない
  • 頭痛
  • からだがだるい

禁煙開始後数日間は「たばこが吸いたい!」という気持ちが1日数回出現することもあります。そんなときにどんな対処をしたらたばこを吸わないでいられるかを事前に考えておくことで、吸いたい気持ちのコントロールをすることが可能となります。
たばこを吸いたい気持ちは1日中ずっと続くわけではありません。長く続いても3分~5分です。たばこを吸いたくなる場面を手帳に書き出し、そのときにたばこを吸うこと以外で可能な3~5分の行動や、たばこの代わりになるものを事前に考えておくなどすることで、急な喫煙欲求にも対処が可能となります。
禁煙開始前7日間は、吸いたい気持ちがでてきたら、ご自分で書き出した対処法を実施し効果を確かめます。効果がなければ他の方法を考えて実施してみましょう。下記に一例を挙げてみました。

たばこを吸いたくなる場面 代わりになる行動
朝起きてすぐ すぐに顔を洗う
食事の後 歯磨き
コーヒーと一緒に コーヒーを紅茶に代える
出勤中の車の中 大声で歌う
仕事の休憩時間 職場の人に禁煙宣言をする
帰宅時の車の中 深呼吸
アルコールとともに 冷水を一緒に置いておき、吸いたくなったら飲む

3. いつもと違う「ん?」という感覚を身につけよう

「無意識のうちにたばこを吸ってしまう」「いつの間にかまた火をつけていた」というようなことは喫煙者の方であればよく経験することでしょう。無意識にたばこを吸ってしまうと、禁煙開始後もついついということになりがちです。

禁煙前に一度、意識的にたばこを吸う練習をしましょう。いつもと違う銘柄のたばこを吸ったり、たばこを持つ手を替えてみたりして「たばこを吸っている」という意識を持って吸ってみましょう。可能であれば短時間でも禁煙できる時間を作り、できたら自分を褒めるという禁煙の練習をしてみるのもよいでしょう。

4. お薬を選ぼう!

禁煙をラクに確実にしてくれる強力なサポーターが「禁煙補助薬」です。薬局や薬店で購入できるニコチンガムやニコチンパッチ、禁煙外来で処方されるバレニクリンなど、ご自分の力だけで禁煙するよりもずっとラクに禁煙が可能となります。詳しくは「禁煙のおくすりってどんなもの?」の部分を参考にし、禁煙開始前にお薬の選択をしましょう。

5. 治療用アプリについて知ろう!

禁煙を日々の生活の中で禁煙の手助けをしてくれるもう一つのサポーターが、「禁煙治療用アプリ」です。上記1~3に示したような対処法の練習は、自宅で一人で実践するのはなかなか難しいですよね。また、禁煙することの健康へのメリットや意義をしっかり理解したいけれど、インターネット上にはいろいろな情報があってどれが正しいのかわからないこともあります。そういった悩みを解決してくれるのが、この「禁煙治療用アプリ」です。

禁煙治療アプリの利用には、禁煙外来で処方してもらう必要があります。詳しくは「禁煙治療用アプリってどんなもの?」を参考にしてください。

(最終確認日:2021年11月10日)

谷口 千枝

谷口 千枝 たにぐち ちえ

愛知医科大学看護学部 成人看護学(療養生活支援) 准教授

2004年国立病院機構名古屋医療センター禁煙外来勤務、13年椙山女学園大学看護学部、18年愛知医科大学看護学部成人看護学(療養生活支援)講師を経て、2020年より現職。