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受動喫煙問題 – 知らない人がまだまだ多い

頻繁に起こる頭痛や何度も繰り返す風邪。
なんだかいつも体調が優れない……というあなた、たばこの煙に日常的にさらされていませんか?
もしかするとその症状は受動喫煙の影響かもしれません。

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受動喫煙は、マナーや好き嫌いの問題ではなく、非常に深刻な健康被害をもたらします。しかしその恐ろしさが充分周知されていないことが、大きな問題となっています。すでに海外では、子どもの頃から学校で教育されている国もあります。多くの人は、体調が悪くなっても原因がわからないか別のことが原因と勘違いして、受動喫煙を意識せず、適切な対応をとることができないでいます。
これは戦後の復興期や高度経済成長期の公害被害を思い起こさせます。食べ物や水・空気など、自分たちのまわりにあたりまえにあるものが、じわじわと病気を起こすなんて想像もつかなかったでしょう。変だなあとは思いながらも「毒」が取り入れられ続けた結果、影響も深刻化していったのです。

「受動喫煙」とは文字通り、「受け身」の「喫煙」です。自分がたばこに火をつけてすうのではなくても、他人の吸っているたばこの煙を吸ってしまうことが「受動喫煙」です。健康増進法第25条では「室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義されています。

「受動喫煙」で吸ってしまう煙には下記の二種類があります。

  • たばこ(フィルター側ではなく火がついているほう)から立ち上る煙=『副流煙』
  • 喫煙する人がフィルターなど吸い口を通じて吸い込んだ煙を吐き出した煙=『呼出煙』

なお喫煙する人が吸い口から吸い込んだ煙のことは、主流煙といいます。

現在、国内のたばこのパッケージには、たばこ事業法の定めにより機械で測定したニコチンタールの量が記載されています。これはある一定の条件のもとで吸引される主流煙の成分ですが、吸い方には強さや速さなど個人の要素があり、個人の体内に入るニコチン・タール量はこの量の通りになるものではないので注意が必要です。
主流煙・副流煙とも、実際にたばこから排出される成分を捉えて測定した場合、主流煙ではパッケージの表示値に非常に近い値だったものの、副流煙の成分はニコチンが約4倍・タールが約2倍となった測定結果があります。さらに喫煙者が吸った主流煙も多くは吐き出されることになります。もちろん実際には部屋の換気や広さ、時間の経過などで濃度としては変化するものですが、実際にこれだけの量が放出されるということを意識する機会はなかなかありません。

これらの煙の成分に含まれるタールの中には、化学物質単独としてヒトでの発がん性のある物質と認定されているものが多く含まれています。また発がん性に関わらず、室内空気汚染問題(いわゆる「シックハウス問題」)に係る個別物質の室内濃度指針値と比べても、室内の状況で変化するとはいえ相当な量が排出されていると考えられます。

室内でのたばこの煙は嫌だけどあっても仕方がないものという時代は確実に終わりつつあります。特に受動喫煙については、好き嫌いやマナー・嗜好の問題では済まされない問題です。健康影響・煙の成分について知るとともに、意識して煙を避ける方法を見つけることが必要です。