「健康日本21(第三次)」とは、2013(平成25)年度~2023(令和5)年度に実施した「健康日本21(第二次)」に続き、2024(令和6)年度から2035(令和17)年度にかけて行う国民健康づくり運動のことです。
厚生労働省では2000(平成12)年より、一次予防の観点から、健康増進を図るための国民運動「健康日本21(二十一世紀における国民健康づくり運動)」を開始しました。
これは、国民全体のさまざまな健康課題に対して目標数値を定め、生活習慣の改善などに計画的に取り組むことで、国民の健康寿命の延伸を図るものでした。「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休養・こころの健康づくり」「歯の健康」「たばこ」「アルコール」「糖尿病」「循環器病」「がん」の9分野について、達成すべき数値目標等を掲げました[1]。
その後、2013(平成25)年度より、健康日本21の取り組み結果を踏まえた「健康日本21(第二次)」が実施されました[2]。
そして、2024年(令和6)年度より「健康日本21(第三次)」が実施されています[3]。計画期間は、2035(令和17)年度までの 12年間です[4]。
健康日本21(第二次)では、「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」を最終的な目標とし、国民の健康づくりを推進してきました。健康寿命は着実に延びてきたものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を機に、格差が拡大しているとの指摘もあります[4]。さらに、一部の指標(特に一次予防に関する指標)が悪化している、全体としては改善している指標も一部の性・年齢階級では悪化している、ターゲットに応じた効果的な介⼊⽅法の検討が必要であるといった課題がありました。また、健康増進に関するデータの可視化や、PDCAサイクルの推進が不十分でした[4]。今後、少子高齢化による人口減少、独居世帯の増加、女性の社会進出、多様な働き方の広がりなど、社会が大きく変化することが予想されています。また、デジタルトランスフォーメーションの加速や、新たな感染症への対応も求められます[4]。
これらを踏まえ、健康日本21(第三次)では、「すべての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」をビジョンとし、社会が多様化する中で個人の健康課題も多様化していることを踏まえ、「誰一人取り残さない健康づくり」(inclusion)を展開し、より実効性のある取り組み(implementation)を推進することを掲げています[3][4]。
基本的な方向としては、①健康寿命の延伸と健康格差の縮小を第二次に引き続き最終的な目標として、②個人の行動と健康状態の改善と③個人を取り巻く社会環境の質の向上を図り、加えて、④ライフコースアプローチ(胎児期から高齢期に至るまでの人の生涯を経時的に捉えた健康づくり)も念頭に置くこととしています。
健康日本21(第三次)についての詳細は、スマート・ライフ・プロジェクトの特設ページ[5]も参照してください。
(最終更新日:2024年9月6日)