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子どものメタボリックシンドロームが増えている

メタボリックシンドロームの予防は、成人のみが取り組むべき課題ではありません。近年では小児肥満が深刻化し、メタボリックシンドロームとの関連が問題視されています。そこで新たに小児期メタボリックシンドロームの診断基準が設けられ、早期発見・早期予防の取り組みが求められるようになりました。

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小児肥満の子どもは、その約70%が成人肥満に移行すると考えられ、また高度の小児肥満は、高血圧糖尿病脂質異常症などの生活習慣病を合併する可能性が高くなるため、子どもの頃からの肥満予防が大事だと考えられてきました。

小児肥満を知る目安としては、肥満度を割り出す計算式があります。以下の計算式を用いて、年齢別の身長と体重のバランスで肥満度を算定します。

肥満度(%) = (実測体重 – 標準体重)÷ 標準体重 × 100

この計算式により、幼児では肥満度15%以上が肥満児、学童期以降では20~30%が軽度肥満、30~50%が中等度肥満、50%以上が高度肥満と判定されます【図】。

さらに小児期でも肥満度が高いと、中性脂肪・血圧・血糖などの上昇、またHDLコレステロール値の低下が見られ、メタボリックシンドロームを発症している可能性が高いことが分かってきました。
そこで従来の小児肥満の肥満度測定とは別に、厚生労働省の研究班によって2年間の研究をもとに「小児期メタボリックシンドローム」の診断基準がつくられることになりました。

その診断基準は以下の通りです。

小児期メタボリックシンドロームの診断基準(6~15歳)

  • ウエスト周囲径
    中学生80cm以上/小学生75cm以上
    もしくは
    ウエスト周囲径(cm) ÷ 身長(cm) = 0.5以上

選択項目(下記項目のうち2項目以上)

  • トリグリセライド(中性脂肪): 120mg/dl以上
    かつ/または
    HDLコレステロール: 40mg/dl未満
  • 収縮期(最大)血圧: 125mmHg以上
    かつ/または
    拡張期(最小)血圧: 70mmHg以上
  • 空腹時血糖: 100mg/dl以上

小児メタボリックシンドロームを防ぐには、生活習慣の改善が大事です。
朝食を欠食し、夕食時間・睡眠時間も遅くなることが、小児期メタボリックシンドロームを促進させる要因であることが分かっています。また近年では、脂肪や塩分の多いスナック菓子などの間食が出回り、また気軽に手に入る環境にあります。さらに部屋にこもってゲームなどの遊びに興じる生活では、外に出て体を使った運動をしている子どもに比べて肥満になりやすいという調査結果が出ています【表】。

こうした生活習慣の積み重ねがメタボリックシンドロームを発症させる大きな要因になるため、生活のリズムや食習慣・運動の習慣を見直し、子どもの頃から健康的な生活習慣を心がける必要があります。

公益財団法人結核予防会 新山手病院 生活習慣病センター長 宮崎 滋

筑波大学 医学医療系 社会健康医学 講師 山岸 良匡

参考文献

  1. STOP! メタボリックシンドローム 小児肥満対策推進委員会が初会合
    http://www.sankei.co.jp/metabolic/200907/090701m_lfe_89_1.htm
  2. 大國真彦ほか
    子ども達がテレビ等の視聴、ファミコン等で遊んでいる実態と肥満との関係調査成績
    日児誌 99: 1700-1703, 1995.