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糖尿病が増えている

糖尿病が強く疑われるにもかかわらず、病院で治療を受けたことがない、もしくは継続できていない人が男女とも4割を超えています。血糖値が高めと言われたら生活習慣の改善に努め、糖尿病の疑いがあると言われたら、ためらわずに受診することが大切です。

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日本人の糖尿病が増え続けています。平成19年国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人はそれまでの5年で150万人、10年で200万人増え、890万人にのぼっています。現在ではさらに増加していると考えられます。この他に糖尿病の可能性を否定できない人が平成19年の時点で1320万人おり、この人たちを糖尿病予備群と考えれば、今後も糖尿病人口の増加が続くことが予測されます。

糖尿病の恐さは、重症化するまでほとんど自覚症状がなく、気づいたときには合併症が進行している点にあります。血糖値が高い状態が慢性的に続くと、グリケーション(糖化)といって、血液成分と血糖の結合が進みます。例えば赤血球中のヘモグロビンAが糖化したものがHbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)で、6.5%を超えると糖尿病が強く疑われます。

糖化した血液成分が全身をめぐって微小な血管を傷つけるため、網膜症腎症・神経障害などのさまざまな合併症があらわれます。重い合併症から足が壊疽(えそ)を起こし、切断に至るケースがあることはよく知られていますが、さらに失明の原因の第1位、慢性腎不全から人工透析に至る原因の第1位がいずれも糖尿病であることも私たちは知っておかねばなりません。脳梗塞や心筋梗塞等の循環器病にもかかりやすくなります。

同じ調査で糖尿病が強く疑われる人のうち、病院で治療を受けたことがない、もしくは継続できていない人の割合は、約4割を占めているのが現状です(平成23年国民健康・栄養調査)。特に50歳代では、半数以上の人が治療を受けていないという状況です。

平成20年4月から始まった特定健診・特定保健指導は、糖尿病の発症リスクを高めるメタボリックシンドロームに着目し、糖尿病を川上から防ぐことを目的のひとつとしています。特定健診を受けていない方は、必ず受けてください。そして血糖値が高めと言われたら、運動不足や過食などの生活習慣や肥満の改善に努め、糖尿病の発症を防ぐことが大切です。
また糖尿病の疑いがあると言われたら、ためらわずにかかりつけの病院などを受診し、早期に治療を始めることが肝心です。

公益財団法人結核予防会 新山手病院 生活習慣病センター長 宮崎 滋

筑波大学 医学医療系 社会健康医学 講師 山岸 良匡

参考文献

  1. 厚生労働省
    平成19年国民健康・栄養調査