厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

夜食症候群とは

脂肪細胞から分泌されるレプチンは、食欲抑制やエネルギー代謝亢進に働いています。夜遅い食事が習慣化するとレプチンの作用が低下し、メタボリックシンドロームをまねく原因となります。

twitterでシェアする

facebookでシェアする

生活時間のボーダーレス化・24時間化などの社会環境の変化に伴い、夜遅く夕食をとる人が増えています。就寝2時間以内に夕食をとることがある人は、男性の61%、女性の42%にものぼっています。また朝食欠食者が夕食を何時にとっているかを調べた国の数字でも、夜遅く夕食をとる傾向は男性に顕著で、夜9時以降が40歳男性の3人に1人(36.6%)、40歳代女性の5人に1人(19.2%)のぼり、男性の1割(10.8%)は夜11時以降となっています。

このように夜遅く食事をとると太りやすいことは経験的に知られている事実ですが、そのメカニズムがアディポイサイトカインの研究からも明らかにされています。
「アディポ」とは脂肪のことで、アディポサイトカイン脂肪細胞が分泌する生理活性物質の総称です。脂肪細胞は従来、脂肪をたくわえておくだけのエネルギー貯蔵庫と考えられてきましたが、これは誤りで、脂肪組織はさまざまな生理活性物質を活発に分泌している人体最大の内分泌器官であることが近年の研究でわかってきました。

内臓脂肪がたまると、アディポサイトカインのあるものは増え、あるものは減るなどの分泌異常をきたし、健康を維持している物質の代謝が乱れ、メタボリックシンドロームのリスク因子となる高血糖脂質代謝異常高血圧などをまねくとみられています。

脂肪細胞が分泌するアディポサイトカインの一種にレプチンがあります。レプチンは食欲の抑制やエネルギー代謝の亢進など、メタボリックシンドロームの予防において善玉の働きをしていますが、夜遅い食事が習慣化するとレプチンの作用が低下し、これに伴って血糖値や中性脂肪の値が上昇しやすくなることが知られています。

この現象は夜食症候群(Night Eating Syndrome)と呼ばれ、メタボリックシンドロームをまねく原因の一つと考えられています。
夜食症候群の一例として、酒を飲んだ後の炭水化物があります。酒を飲むとつい自分に甘くなりがちですが、夜中にお茶漬けやラーメンをすする習慣がある方は改めるべきでしょう。また夜食症候群には個人の努力では解決しにくい環境要因の側面もあり、例えば夜遅くまで残業をする社員が多い会社では、早めに「残業夕食」を支給するなど、企業の取り組みも求められます。

公益財団法人結核予防会 新山手病院 生活習慣病センター長 宮崎 滋

参考文献

  1. 厚生労働省
    平成19年(2007年)国民健康・栄養調査
  2. 健康知識と行動のちぐはぐ度調査
    健康・体力づくり事業財団, 2008.