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なぜ男性85cm、女性90cmなの?

内臓脂肪面積が100cm2を超えると、高血糖・脂質異常・高血圧の合併率が高くなります。しかし正確に調べるためのCT検査はどこでも簡便に行えるものではないため、スクリーニングとしてウエスト周囲径が採用されました。内臓脂肪面積100cm2に相当するウエスト周囲径として、男性85cm/女性90cmと決められています。

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内臓脂肪を正確に調べるには、CTスキャンによる検査が必要です。おへその高さの胴を輪切りにした画像で、内臓脂肪の面積が100cm2以上を内臓脂肪過剰蓄積としています。日本肥満学会では1200人のCT検査を行って内臓脂肪を測定し、その人たちが高血糖脂質異常症(高脂血症)高血圧をどれだけ合併しているかを調べました。その結果内臓脂肪が100cm2を超えると、100cm2未満の場合と比較して、合併する疾患数が50%以上高くなることから、これを内臓脂肪蓄積の基準としました。

しかし費用や放射線などの課題からCT検査を一般健診に使用することは困難です。そこで集団健診でも行える簡便な検査法について「BMI」「ウエスト周囲径」「ウエスト/ヒップ比(ウエスト周囲径とヒップ周囲径の比)」「ウエスト/身長比」などについて検討しました。その結果、男女ともにウエスト周囲径(ウエスト周囲径)が、CTで調べた内臓脂肪面積とよく相関していることがわかり、内臓脂肪の測定にウエスト周囲径を用いることになりました。

さらにCTによる内臓脂肪面積100cm2に相当するウエスト周囲径は男性84.4cm/女性92.5cmという結果が出たことから、男性85cm/女性90cmを診断基準としたのです。

体格の大きな男性よりも小さな女性の基準値ほうが大きくなっているのはなぜか、という疑問がよく出されます。これは女性は男性に比べて皮下脂肪がたまりやすく、同じ量の内臓脂肪がたまっていても皮下脂肪の分だけウエスト周囲径が大きくなるからです。

WHOの基準では、男性84cm/女性80cmとしていて、諸外国の基準でも男性が大きくなっています。わが国の基準だけが女性が大きいのですが、その理由は日本のみがCTによる内臓脂肪面積からウエスト周囲径を決めたのに対し、アメリカではBMI30に相当するウエスト周囲径、ヨーロッパではウェスト/ヒップ比を用い、これらは内臓脂肪と無関係なためです。

公益財団法人結核予防会 新山手病院 生活習慣病センター長 宮崎 滋