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血中アルコール濃度

飲酒して消化管から吸収されたアルコールが血中に移行した状態の濃度で、酔いの程度を決める。

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アルコールの運転技能への影響

アルコールは運転に必要な技術や行動に対して極めて低い血中濃度から影響を与え、血中濃度が高くなればその分影響も強くなることが知られています。例えば集中力・多方面への注意・反応時間などは、日本の道路交通法により検挙される濃度(血中濃度0.03%)より低い濃度から障害されます。当然のことながら素面(しらふ)の状態よりアルコールの存在下の方が技術が向上するという証拠は全くありません。

女性の飲酒と健康

女性の飲酒は近年一般的になってきましたが、①血中アルコール濃度が高くなりやすい、②乳がんや胎児性アルコール症候群などの女性特有の疾患のリスクを増大させる、③早期に肝硬変やアルコール依存症になりやすいなど、特有の飲酒リスクがあります。

二日酔いのメカニズム

二日酔いは酒の飲みすぎが原因であることは明白です。しかしほとんど誰もが知っているあのつらい症状が何故起きるのかについては驚くほど解明されていません。有力な説として、軽度の離脱症状・ホルモン異常による脱水や低血糖・体の酸塩基平衡のアンバランス・炎症反応・アセトアルデヒドの影響・酒に含まれるメタノールや不純物などが挙げられています。しかし最も的を射ているのは、単一要因ではなく既述の要因または未だ不明の要因が複雑にからみあって二日酔いが生まれるという説明でしょう。

酔い方の異常

飲酒してアルコール血中濃度に応じた通常の酩酊を単純酩酊と言います。一方で血中濃度に対応しないような著しい興奮や幻覚などの精神症状を伴うような酔い方があり、異常酩酊として区別されます。一般的に酒乱と呼ばれる酔い方はこれに含まれます。

急性アルコール中毒

急性アルコール中毒は「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生じるものであり、通常は酩酊と称されるものである」と定義されます。急性アルコール中毒になると、意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。搬送者数は年々増えており、若年者・女性・高齢者などでリスクが高まり、とくに大学生や新社会人では一気飲みとして飲酒させられ、死亡に至るケースが毎年発生しています。急性アルコール中毒が疑われた場合、適切な処置や対応法を取りましょう。