精神障害や知能障害を持ちながら、ごく特定の分野に突出した能力を発揮する人や症状を言う。
重度の精神障害・知的障害を持つ人に見られる、ごく限られた特定の分野において突出した能力を発揮する人や、その症状のことです。1887年に、J・ラングドン・ダウン博士により「イディオ・サヴァン(天才的白痴)」と名付けられ、のち「サヴァン症候群」と呼ばれるようになりました。
その能力については特に規則性や傾向はありませんが、○月×日の曜日をすぐ当てられる、膨大な書籍を1回読むだけですべて暗記できる、一度聞いただけの曲を最後まで間違えずに弾ける、航空写真を一瞬見ただけで描き起こせる等、並外れて高い暦計算、音楽、美術等に関する記憶力・再現力が特徴といえます。一方、それ以外の学習能力が劣っている点も特徴です。
一般的に男性に多く、また自閉スペクトラム症(ASD)の人に多く見られます。サヴァン症候群についてはまだ解明すべき点が多く残されていますが、現在では、左脳の損傷によるという説が有力視されています。
(最終更新日:2020年5月12日)