自分の手首などを傷つける自傷行為のひとつ。死に至ることは少ないが、治療には時間がかかることが多く、周囲の理解が必要。
手首(wrist)を切る(cut)ことから造られた和製英語で、主に自分の手首などをナイフやかみそりなどを使って傷つける自傷行為のひとつです。
1960年代にアメリカで大流行し世界中に広がりました。思春期の青少年、特に女性に多く見られます。自殺を望むほどの感情ではなく、また傷自体は深い傷であることは少ないため、その行為自体で死に至ることはほとんどありません。
リストカットに至る理由は、他人の注意を引き無意識に助けを求めている、対人関係のストレス解消、自分の再認識などさまざまです。最近では、インターネットやコミックなどで必要以上の情報を得て、孤独感・疎外感や精神的重圧から逃避するため安易に行う傾向があり、問題となっています。
リストカットに対峙したときには、その内容、手首を切らずにいられない不安感や孤独感を把握し、子どもの側に立って働きかけることが大切となります。ただ、長期にわたる場合や傷がひどくなる場合は死に至ることもあります。境界性人格障害、摂食障害、うつ病、統合失調症、解離性健忘などの精神疾患の場合も考えられますので、精神科の受診も考慮します。