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非24時間睡眠覚醒症候群(ひにじゅうよじかんすいみんかくせいしょうこうぐん)

一定の時刻に入眠し起床することが著しく困難であり、睡眠の時間帯が毎日30~60分ずつ遅れていく症状。

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非24時間睡眠覚醒症候群は、通常の外部環境のもとで、約25時間の睡眠・覚醒周期を示す障害です。一定の時刻に入眠し起床することが著しく困難であり、寝付く時刻が毎日30~60分ずつ遅れていきます。

そのため、夜間に眠れている時期と昼と夜とが逆転して昼間に眠ってしまう時期とが交互に出現します。このため、夜間の不眠と日中の過度の眠気、全身倦怠感により社会生活に支障をきたす時期が周期的に出現するのが特徴です。

高度の視覚障害者で比較的多く報告されており、光による体内時計の同調が行われないことが原因であると考えられています。視覚障害のない症例も報告されており、病因については未だ解明されていませんが、夜の早い時間帯に光の影響を受けやすいため睡眠時間帯の後退が起こりやすいという説、あるいは体内時計の周期が長いために、昼夜の明暗周期への同調が困難となるという説などが考えられています。寝付く時刻と覚醒する時刻が一定しないため、通常の社会生活が困難となります。

本症候群発症後にうつ状態を呈する場合もあります。性差については男性の方が多く、発症年齢については思春期から青年期が好発年齢であると考えられています。治療としては、朝の高照度光療法、または夜のメラトニン投与などで生体リズムの位相を前進させる方法が有効ですが、毎日覚醒する時刻が遅れていくため、朝の高照度光療法は困難なことが多く、メラトニン投与が第一選択の治療法となります。