厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

犯罪被害者等基本法(はんざいひがいしゃとうきほんほう)

犯罪被害者の権利や利益を守る目的で2004年に成立した法律。被害者の支援や保護などを国策として行う。

twitterでシェアする

facebookでシェアする

犯罪被害者のための施策を総合的かつ計画的に推進することによって、犯罪被害者等(犯罪やこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす行為の被害者及びその家族又は遺族)の権利利益の保護を図ることを目的として2004年に成立しました。犯罪被害者等基本法では、以下の3つを基本理念としています。

  1. すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する。
  2. 犯罪被害者等のための施策は、被害の状況及び原因、犯罪被害者等が置かれている状況その他の事情に応じて適切に講ぜられるものとする。
  3. 犯罪被害者等のための施策は、犯罪被害者等が、被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れることなく受けることができるよう、講ぜられるものとする。

そして、この法律では、国や地方公共団体およびその他の関係機関、民間の団体等が連携して犯罪被害者のための施策(相談及び情報の提供、損害賠償の請求についての援助、犯罪被害給付金の支給に係る制度の充実、保健医療サービス・福祉サービスの提供、犯罪被害者等の二次被害防止・安全確保、居住・雇用の安定、刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備 等)を定めていますが、具体的施策は、犯罪被害者等基本計画に基づいて行われます。
現在までに、刑事司法における被害者参加制度、損害賠償請求制度、犯罪被害者等のカウンセリング費用の公費負担制度、地方自治体における犯罪被害者支援窓口の設置などの施策が実施されています。今後も被害者等の回復のため施策の充実が求められています。

(最終更新日:2021年1月12日)

中島 聡美

中島 聡美 なかじま さとみ

武蔵野大学 人間科学部 人間科学科 教授

1993年筑波大学大学院医学研究科博士課程卒業。93年北の丸クリニック常勤医師、同理事長、96年常磐大学国際学部専任講師、2000年同コミュニティ振興学部助教授、03年国立・精神神経センター精神保健研究所成人精神保健部成人精神保健室長、05年同犯罪被害者等支援研究室長、16年福島県立医科大学ふくしま国際医療科学センター放射線医学県民健康管理センター特命准教授を経て、18年より現職。専門は精神医学、被害者学。