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認知療法(にんちりょうほう)

認知の歪みに焦点を当て修正をしていくことで、そこに起因する症状などを軽減していく短期精神療法のひとつ。

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アーロン・T・ベックによって始められた治療法で、患者の偏った物事の捉え方(認知)を修正させ、より柔軟的で現実的な考え方や行動ができるように手助けする療法です。うつ病などの患者は、自分や周囲、将来に対して否定的・悲観的に考えてしまうなどの考え方の癖が心に悪影響を及ぼすため、それらの考え方を軌道修正させることで症状の改善を図ります。初期から中期のうつ病の治療に効果的だと言われていますが、恐怖症性不安障害や人格障害などにも用いられています。

患者と治療者の共同作業で行われ、患者の見方、物事の認知の仕方が本当に正しいのか検証していきます。他の考え方ができないか一緒に考え、治療者は患者の悲観的、非現実的な見方を修正する手助けを行います。

現在では、行動療法と組み合わせて1980年代に設立された認知行動療法が一般的に知られており、認知行動療法の一部である認知療法は、認知行動療法と同意義とされることも多くあります。