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幻覚剤(げんかくざい)

脳神経系に作用し、非現実的で異常な感覚をもたらす薬剤。精神的依存傾向があり使用を繰り返すこともある。

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中枢神経に働いて、知覚、思考、自己認識の異常をもたらす薬剤です。LSD、PCP(エンジェルダスト)、MDMA(エクスタシー)、マジックマッシュルーム、シロシビン、メスカリンなどが知られています。これら多くの幻覚剤は法律で所持や使用が禁止されており、医療用としても認められていません。

幻覚剤の代名詞ともなっているLSDは、きわめて微量でも効果がある強力なもので、1960年代にはサイケデリック・ドラッグとして社会現象ともなりました。1990年代前半からは、興奮作用もあるMDMAの押収量が増加しています。

幻覚剤による効果は薬剤を利用するときの精神状態により左右されます。幻覚体験は「トリップ」と呼ばれますが、利用に不安を感じていたり抑うつ状態にあったりすると、「バッドトリップ」と呼ばれる不安発作に陥ることもあります。問題となるのは、幻覚剤を使用することで判断力が低下し、例えば空を飛べると思い込んで窓から飛び降りるといった危険な事故につながる恐れがあることです。長期間繰り返して使用していると、薬物をやめた後にも「フラッシュバック」と呼ばれる幻覚の再体験をすることがあります。

幻覚剤そのものには身体的な依存は確認されていませんが、使用量や個人差で精神的に依存する傾向があります。