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不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)

脂肪の構成要素である脂肪酸のうち、植物や魚の脂に多く含まれるもの。
体内で合成できないため、摂取する必要がある必須脂肪酸はこれに含まれる。

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脂肪を構成している要素である脂肪酸は、分子の構造的な違いから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されますが、そのうち植物や魚の脂に多く含まれるものを不飽和脂肪酸といいます。飽和脂肪酸はおもに動物性の脂肪に含まれます。

不飽和脂肪酸はさらに、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。

多価不飽和脂肪酸はn-3系とn-6系に分けられます。
n-3系にはα-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)があり、α-リノレン酸は体内でIPA、さらにDHAと変化します。また、n-6系のリノール酸は体内でアラキドン酸を少量作り出し、イコサノイドという生理活性物質にもなりますが、必要量を賄うことはできません。

このように、ヒトの体内で合成できないか、合成できても必要量を満たすことができず、食物から摂取しなければならないため、α-リノレン酸・リノール酸・アラキドン酸は必須脂肪酸と呼ばれています。

(最終更新日:2022年12月13日)

由田 克士

由田 克士 よした かつし

大阪公立大学大学院 生活科学研究科 食栄養学分野 教授

博士(医学)、博士(栄養学)、管理栄養士、健康運動指導士。金沢医科大学病院栄養部、ノートルダム清心女子大学人間生活学部講師・助教授、独立行政法人国立健康・栄養研究所健康・栄養調査研究部室長(厚生労働省健康局栄養技官併任)等を経て、2010年4月より大阪市立大学大学院 生活科学研究科 食・健康科学講座 教授、2022年4月より現職。地域・職域における栄養・食生活の改善、循環器疾患予防と栄養素摂取の関連、日本人の食事摂取基準の活用、食事評価法、出生時体重やその後の発達に関与する要因の検討などを研究テーマとしている。