厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

e-ヘルスネット

五十嵐 多恵

五十嵐 多恵 いがらし たえ

東京都立病院機構 広尾病院 眼科医長/東京科学大学 眼科学 非常勤講師

担当カテゴリ: 感覚器など

博士(医学)、金沢大学医学部、東京医科歯科大学眼科、米国ハーバード大学マサチューセッツ眼科耳鼻科病院 網膜フェロー、東京医科歯科大学眼科 講師(キャリアアップ)を経て、2024年より現職。成人以降の病的近視による眼合併症の管理、小児期の近視予防対策、近視進行抑制治療などを研究テーマとしている。

保護者の方に知っていただきたいこどもの近視予防対策

近視とは、眼に入った平行光線が、網膜より手前で焦点を結ぶ状態です。近視の多くは、こどもの頃に、眼球の前後方向の長さを表す眼軸長(がんじくちょう)が、正常よりも過剰に伸びることで生じます。眼軸長(がんじくちょう)が伸びるほど近視が強くなり、一度伸びると縮めることはできません。近視の自然な進行は大学時代まで続くこともありますが、悪化のほとんどは 8~12歳で起こります。近視の進行が最も速いのは7~10歳であり、10歳以下の年齢が低いうちに近視を発症すると、近視が強度になる確率が上がります。近視が強度になるほど、将来、さまざまな目の病気にかかる頻度が高まります。幼児期のうちから近視予防を意識した対策を行いましょう。目を細めたり、テレビ画面に近づいて見るようなことがあれば、早めに眼科を受診して、近視になっていないか確かめましょう。近視の場合は、できるだけ早期から近視の進行を抑制することが理想です。



開示すべきCOIはありません。