厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト

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樋口 進

ドリンク数を知って、飲みすぎをチェック!

これまで曖昧だったお酒の量。
これからは飲酒量の単位(=ドリンク)を計算することで、飲み過ぎないよう簡単にチェックできます。

アルコールの運転技能への影響

アルコールは運転に必要な技術や行動に対して極めて低い血中濃度から影響を与え、血中濃度が高くなればその分影響も強くなることが知られています。例えば集中力・多方面への注意・反応時間などは、日本の道路交通法により検挙される濃度(血中濃度0.03%)より低い濃度から障害されます。当然のことながら素面(しらふ)の状態よりアルコールの存在下の方が技術が向上するという証拠は全くありません。

アルコール関連問題の分類

アルコールに関係した問題の全てはアルコール関連問題と呼ばれています。ここでは関連問題を飲酒量や依存のレベルを基準に分類しました。すなわち多量飲酒・有害な使用・プレアルコホリズム・アルコール乱用・アルコール依存症です。各レベルはおおよそ依存の重症度を表わしており、問題に対する指導や治療目標もこの分類に従うことが多いものです。

自助グループ

自助グループはある障害を持つ者同士が互いに励ましあいながら、その障害を様々な形で克服していくための集団です。自助グループの原型は、米国で1930年代に設立されたアルコール依存症者による「AA」です。このAA方式は以後、他の多くの障害にも応用されてきています。アルコール依存症の回復は、断酒継続が大原則です。自助グループへの参加は、断酒を継続するために非常に重要です。日本におけるアルコール依存症の主な自助グループは断酒会とアルコホーリクス・アノニマス(AA)です。

二日酔いのメカニズム

二日酔いは酒の飲みすぎが原因であることは明白です。しかしほとんど誰もが知っているあのつらい症状が何故起きるのかについては驚くほど解明されていません。有力な説として、軽度の離脱症状・ホルモン異常による脱水や低血糖・体の酸塩基平衡のアンバランス・炎症反応・アセトアルデヒドの影響・酒に含まれるメタノールや不純物などが挙げられています。しかし最も的を射ているのは、単一要因ではなく既述の要因または未だ不明の要因が複雑にからみあって二日酔いが生まれるという説明でしょう。

飲酒のガイドライン

厚生労働省の示す指標では、節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20グラム程度の飲酒ということになります。また女性や高齢者、飲酒後にフラッシング反応を起こす人は、これより飲酒量を少なくすべきであると推奨しています。これらのガイドラインと既存のエビデンスから、健康を守るための12の飲酒ルールを提案します。

酒量を減らすための方法

多量飲酒者やプレアルコホリックの酒量を減らす方法についてまとめました。減らすためには、まず問題の評価を行ない、適切な目標を立てて、行動に移していきます。ひとりで行なう方法もありますが、できれば専門家と相談して行なうことをお勧めします。その場合には短時間のカウンセリングが有効です。

飲酒とJカーブ

既存の疫学研究から、飲酒量と健康リスクとの関係は様々なパターンをとることが示唆されています。高血圧や脳出血は正比例関係を示すといわれていますが、非飲酒者に比べて少量飲酒者のリスクがむしろ低く、飲酒量が増えればリスクが高くなるというJカーブパターンをとるものもあります。総死亡数・虚血性心疾患・脳梗塞・2型糖尿病などでこのような関係が認められており、飲酒の健康面での利点とされています。ただしJカーブ関係が認められるのは、先進国の中年男女とされていることに留意が必要です。

アルコールの吸収と分解

体内に摂取されたアルコールは、胃および小腸上部で吸収されます。吸収は全般的に速く、消化管内のアルコールは飲酒後1~2時間でほぼ吸収されます。吸収とともに分解も速やかに開始されます。アルコール分解の最初のステップは主に肝臓で行なわれ、その後は筋肉が主体となります。
飲酒後血中濃度のピークは30分~2時間後に現れ、その後濃度はほぼ直線的に下がります。アルコールの消失(分解)速度は個人差が非常に大きいことが知られていますが、その平均値は男性でおよそ1時間に9g、女性で6.5g程度です。アルコールの吸収や分解には多くの要因が関係しています。

飲酒量の単位

酒を飲んで「酔い」などの効果をもたらすのはアルコールですが、酒に含まれるアルコールの濃さ(強さ)は千差万別です。アルコールの体や精神に対する影響は、飲んだ酒の量ではなく、摂取した純アルコール量が基準となります。酒に含まれる純アルコール量(ドリンク数)を知っていれば、飲んだ酒の影響や分解時間などが推定できます。