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アルコール依存症者の自助グループ

自助グループは何かしらの生活の難しさを感じている方が、同じような悩みを抱えている方々と互いに支え合い、その困難さを乗り越えることを目的とした集まりです。セルフヘルプグループや相互援助グループと呼ばれることもあります。

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自助グループとアルコール依存症

二度とお酒は口にはすまいと心に誓ったとしても、スーパーマーケットなどで不意に酒類を目にすると、お酒に影響を受けた脳が自動的に反応し、少しだけならいいだろうなどという考えが頭をもたげ、気づくと以前と同じような飲み方に戻っていることがあります。
このように、アルコール依存症からの回復の道は長く険しいものです。一方で自助グループに参加することでお酒を飲まない日々を送っている方々が大勢おられます。豊かな生活を維持していくことに自助グループが大きな助けとなることから、医療機関では治療と並行して参加を促すことがあります。
アルコール依存症者のための自助グループをご紹介いたします。

アルコホーリクス・アノニマス(Alcoholics Anonymous)

直訳すると「無名のアルコール依存症たち」で、AAと呼ばれることが多いです。1935年にアメリカでアルコール依存症の二人の男性が、お互いの飲酒経験を語り合ったことから活動が始まりました。この語り合いが今でもAAの活動の柱となっています。AAでの参加者の語り合いはミーティングと呼ばれ、言いっぱなし聞きっぱなしが基本です。自分の語りは他の参加者からは尊重されると同時に、他の参加者の語りには最後まで耳を傾けます。

AAは、現在およそ180以上の国と地域に10万以上のグループが存在し、メンバー数は200万人以上です(日本には600以上のグループが存在し、メンバー数は5,700人以上と推定されています)。
AAのメンバーになるために必要なことは、飲酒を止めたいという願いだけです。その特徴は、グループ内では実名を名乗る必要はなく、ニックネーム(アノニマスネーム)でお互いを呼び合うことです。これによって参加者同士のプライバシーを守ることができます。また12ステッププログラムといって、アルコール依存症からの回復プログラムが提案されており、既にそれに取り組んだことのある参加者の経験と知恵を借りながらプログラムを取り組むこともできます。

教会を会場とするグループがあったり、扱う資料に宗教的な表現がありますが、特定の宗教や宗派との関係はありません。
グループの運営は参加者の献金のみで自立しています。詳細は、AA日本ゼネラルサービスのホームページでご確認ください。

また、アルコールに何らかの問題傾向を持つ方の家族のために、AAの流れをくむ「アラノン」という自助グループがあります。お酒に何かしらの問題をもつ本人が医療機関や自助グループに足を運ぶことに否定的でも、その家族がアラノンに参加し、まずは家族が希望の光を手にすることで、のちのち本人がアルコール依存症から回復するきっかけになることがあります。
詳細は、特定非営利活動(NPO)法人アラノン・ジャパンのホームページをご覧ください。

断酒会

AAの取り組みを参考に、日本の文化などを考慮に入れ、独自の発展を遂げた自助グループです。断酒会でもAAと同様、参加者同士がアルコールに関する自身の体験を語り合います。これを断酒例会といい、全国各地で行われています。
断酒会の主な特色は、断酒例会で参加者が自身の氏名を名乗ることです。参加者の家族も一緒に自身の体験を語ります。家族のみで例会を行う断酒例会の会場もあります。また、会員制をとっていることも特色のひとつです。
詳細は、各地の断酒会のホームページをご覧ください。

最後に

同じAAのグループや断酒例会の会場でも、参加人数などは様々で、雰囲気が異なります。参加する場合は、複数のグループや断酒例会に参加してみて、自分に合った自助グループやその会場を見つけるとよいでしょう。なかにはAAと断酒会を併用される方もいます。

(最終更新日:2021年10月25日)

尾﨑 淳 おざき じゅん

独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 精神保健福祉士