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1B型アルコール脱水素酵素

エタノールを分解する酵素の一つ。遺伝的に酵素の働きが弱いひとは、飲酒で顔が赤くなりにくく、大量飲酒の翌日に酒臭い体質となり、アルコール依存症になりやすいことが知られている。

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アルコール依存症と遺伝

アルコール依存症の原因に遺伝が関係することは確かです。特にアルコールを分解する酵素の遺伝子による違いが、依存症のなりやすさに強く影響することが知られています。さらに、最近では環境による影響の受けやすさに遺伝が関係していることがわかっています。しかし具体的な遺伝子については十分にはわかっていません。

アルコールの吸収と分解

体内に摂取されたアルコールは、胃にあるうちはゆっくりと吸収され、小腸に入ると速やかに吸収されます。飲酒後の血中アルコール濃度は、食事の有無やアルコール飲料の種類と飲み方、体格や肝臓の大きさなどによって異なります。アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われ、その人の持つ酵素の遺伝子型や飲酒習慣が深く関わっています。

アルコールとがん

世界保健機関(WHO)は、飲酒は頭頸部(口腔・咽頭・喉頭)がん・食道がん(扁平上皮がん)・肝臓がん・大腸がん・女性の乳がんの原因となると認定しています。アルコール飲料中のエタノールとその代謝産物のアセトアルデヒドの両者に発がん性があり、少量の飲酒で赤くなる体質の2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱い人では、アセトアルデヒドが食道と頭頸部のがんの原因となるとも結論づけています。