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骨粗鬆症の予防のための食生活

食生活を含めた生活習慣の改善が骨粗鬆症(osteoporosis)の予防につながります。食生活ではカルシウム摂取量の不足とならないように心がけながら、1日3回の規則正しく、バランスのとれた食事を実践することが重要です。

骨粗鬆症とその危険因子

 骨粗鬆症とは、「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義され、骨がもろくなることで、骨折しやすくなる病気です。また、骨粗鬆症は多くの要因が関与して発症する疾患であり、遺伝要因と生活習慣が発症に大きく影響します。骨粗鬆症の危険因子には、加齢、性(女性)といった除去しえないものと、カルシウム摂取量の不足や運動不足といった生活習慣に関わるもので、努力によって除去しうるものがあります(表1)。既に除去しえない危険因子を持っている、いないに関わらず、生活習慣の改善により危険因子をできるだけ少なくすることが骨粗鬆症の予防につながります。

骨とカルシウム

 カルシウムは、体重の1~2%を占め、その99%は骨と歯に、1%が血液や細胞内に存在します。血液中のカルシウムは、血液の凝固、筋肉の収縮、神経伝達などの多くの生理作用に関与しています。一方、骨は新しい骨をつくる働き(骨形成)をする骨芽細胞と古い骨を壊す働き(骨吸収)をする破骨細胞により、常に作り変えられています。これにより、血中のカルシウム濃度を一定の範囲内に維持しています。慢性的にカルシウムの摂取量が不足すると、骨吸収が骨形成を上回り、結果として、カルシウムを主成分とする骨の組織はスカスカになります。よって、カルシウムを必要な量を摂取することはとても重要です。

カルシウムの望ましい摂取量

 日本人の食事摂取基準[2010年版]において、カルシウムの望ましい摂取量として、1歳以上で推奨量、1歳未満で目安量が示されています。これらは、習慣的な摂取量がこれらの値以上の場合、”不足の心配がほとんどない”と考えられる量です。一方、数多くのカルシウム強化食品やサプリメントの過剰摂取による健康障害の懸念から耐容上限量が示されています。17歳以下の耐容上限量については定められていませんが、これは多量摂取を勧めるものでも、多量摂取の安全性を保証するものでもありません。不足しない、そして過剰にならない、望ましい量を目指して摂取することが大切です。

(日本人の食事摂取基準[2010年版])

骨粗鬆症の予防のための食生活のポイント

 骨の主成分であるカルシウムは重要ですが、カルシウムだけ摂取すればよいというものではありません。摂取されたカルシウムが効率よく吸収されるには、ビタミンDやマグネシウムリンたんぱく質などさまざまな栄養素が必要です。そのためには、1日3回の規則正しく、バランスのとれた食事と牛乳・乳製品の摂取がポイントになります。

1. 1日3回の規則正しく、バランスのとれた食事をとりましょう。
欠食すると、カルシウムをはじめ、必要な栄養素が不足する可能性が大きくなります。
バランスのとれた食事とは、
主食(ごはん、パン、麺)、
副菜(野菜、きのこ、いも、海藻料理)、
主菜(肉、魚、卵、大豆料理)のそろった食事のことです。
カルシウムが不足しないよう、副菜で緑黄色野菜や海藻類を、
主菜で大豆料理をとるように心がけましょう。

2. 牛乳・乳製品を適量(1日に牛乳ならコップ1杯(200g(約200ml))程度)とりましょう。

 また、骨ごと食べられる小魚(しらす干し、さくらえび、等)も重要なカルシウム供給源です。ただし、しらす干し等の食塩を比較的多く含む食品のとり過ぎは、食塩の過剰摂取につながりますので注意しましょう。

 毎日の食事では、できるだけ食品は偏らないようにしましょう。それぞれの食品に様々な栄養素が含まれています。食事全体のバランスを保つことが大事です。
さらに、骨粗鬆症の予防においては、他の生活習慣病の予防と同様に、食事におけるポイントに加え、身体活動を増加し、適正体重を維持することが推奨されます。

藤井 紘子

参考文献

  1. 骨粗鬆症財団. 老人保健法による骨粗鬆症予防マニュアル.
  2. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版
  3. 社団法人日本栄養士会 監修 武見ゆかり・吉池信男 編. 「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食事実践マニュアル. 第一出版
  4. 財団法人 日本公衆衛生協会. 地域保健におけるエビデンスに基づく骨折・骨粗鬆症予防ガイドライン