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栄養・食生活と高血圧

食習慣の乱れや食事の偏りを見直し、少しずつでも改めることによって、高血圧の予防や治療に結びつけることができます。決して難しいことばかりではありません。無理せずできることから気長に取り組んでみましょう。

1. 減塩

 高血圧と言えばいえばすぐに「減塩」と結びつく方も多いと思います。健康な日本人の成人男女が当面目標とすべき1日の食塩摂取量は各々10g未満と8g未満とされていますが、最近の調査結果によると何れも平均2g程度(濃口しょう油に換算すると小さじ2杯強に相当)上回っている状況です。また、既に高血圧となっている方では1日6g未満とすることが推奨されています。
減塩すると食事が美味しくなくなると思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。酢や柑橘類の酸味、香辛料、香味野菜を上手に取り入れると美味しく減塩食を食べられます。また、めん類のスープやだしを全部飲んだり、味付けを確認しないままに卓上調味料を料理にかけたりすることを控えるだけでもかなりの効果が期待できます。

2. 野菜や果物を積極的に食べる

 野菜や果物には血圧を下げる働きのあるカリウムという栄養素が多く含まれています。積極的に食べるよう心がけましょう。まず、野菜料理は毎食1皿以上食べるようにしましょう。生のままで食べるよりも加熱すると「かさ」が小さくなり、容易にたくさん食べられるようになります。1日当たり小鉢で5~6杯を目標に食べましょう。また、果物は1日当たりバナナ1本とオレンジ1個程度を目安に食べましょう。
なお、医療機関に受診している方は必ず担当の医師の指示にしたがってください。

3. 腹八分を意識し、体重をコントロールする

 肥満することにより血圧は高くなります。原因となる過食を防ぐため、常に腹八分を心がけて食べるようにしましょう。また、少なくとも週1回以上は体重を確認するようにしましょう。

4. ほどほどの飲酒量とする。

 過度の飲酒は、高血圧の原因となることがわかっています。飲酒習慣を有する方の許容飲酒量は1日当たり日本酒1合程度と考えられ、週1日以上の休肝日は設けるようにしましょう。ただし、既に何らかの理由で医療機関に受診している方は必ず担当の医師の指示にしたがうようにしてください。

由田克士

参考文献

  1. 河野雄平、安東克之、松浦秀夫、土橋卓也、藤田敏郎、上島弘嗣:食塩制限の必要性と減塩目標.日本高血圧学会減塩ワーキンググループ報告, 2006
  2. 髙橋敦彦、久代登志男:実地診療における高血圧の予防 その考え方と対処法.Medical Practice:24:212-218, 2007
  3. Sacks FM et al : Effects on blood pressure of reduced dietary sodium and the Dietary Approaches to Stop Hypertension (DASH) diet. DASH-Sodium Collaborative Research Group.N Engl J Med. 344:3-10, 2001