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てんかん(てんかん)

脳の一部もしくは全体が過剰に興奮しやすくなっていて、脳が過剰に興奮すると意識障害やけいれんなどの発作を起こす。

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てんかんとは、脳の一部もしくは全体が興奮しやすくなっていて、なにかのきっかけで容易に脳が過剰興奮してしまう疾患です。
その興奮は「発作」と呼ばれ、意識障害や痙攣、突然走り回る(自動症)、手や顔の一部がピクピクする(運動発作)など多彩な症状を呈します。発作は、繰り返されるのが特徴です。

てんかんの原因は、出産時の仮死状態、外傷、脳出血などさまざまですが、約2/3は原因が特定されていません。原因が明らかなものを「症候性」、不明なものを「特発性」のてんかんと呼びます。
3歳以下の発症率が非常に高く、18歳までに80%が発症するといわれています。近年では高齢化が進み、高齢者の脳血管障害による発症も増えています。

現在では、約80%のケースで治療による発作のコントロールが可能であるといわれています。一方で、てんかんの発作は突然起こります。短時間なら命にかかわらないことが多いのですが、転倒などによるケガなどを防止するために周囲の人の適切な対応が必要となります。短時間で発作がおさまらない場合は「重積状態」の可能性があり、後遺症などを残す場合があるので、すみやかに医療機関に連絡してください。

(最終更新日:2021年1月22日)

⻄ ⼤輔

⻄ ⼤輔 にし だいすけ

東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野 教授

2000年九州大学医学部卒業。2010年九州大学大学院医学研究院精神病態医学専修生満了。医師、博士(医学)。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、社会医学系専門医・指導医。2018年より東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野准教授。2021年より国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所公共精神健康医療研究部部長。2022年より現職。